MYCIN(マイシン)
解説
MYCIN(マイシン)とは、1970年代にスタンフォード大学のエドワード・ショートリッフェらによって開発された、血液中の細菌感染症(および髄膜炎)を診断し、適切な抗生物質を処方するための医療用エキスパートシステムです。
不確実性を扱う「確信度(CF値)」
医療診断は「Aならば100% Bである」と言い切れない曖昧さを含みます。そこでMYCINは、「確信度(Certainty Factor:CF値)」という概念を導入しました。
「熱があるなら、感染症の可能性は 0.7」といった具合に、-1(偽)から +1(真)の数値で信頼度を計算し、不確実な情報を扱えるようにした点が画期的でした。
実用化の壁
診断精度は専門医に匹敵するレベル(約69%の正答率)でしたが、当時のコンピュータの処理速度の問題や、「AIが誤診した場合、誰が責任を取るのか」という法的・倫理的問題が解決できず、臨床現場で実用化されることはありませんでした。
G検定対策
出題ポイント
- 開発:エドワード・ショートリッフェ(Edward Shortliffe)。
- 対象:血液疾患・感染症の診断支援。
- 技術:「ルールベース推論(約500のルール)」と「確信度(CF)」。
- 機能:「なぜその診断になったのか?」という理由を人間に説明する機能(説明機能)を持っていた。
よくあるひっかけ問題
- × MYCINは、多くの病院で実際に導入され、医師の負担を軽減した
(解説)研究としては大成功しましたが、倫理的・法的問題により実用化はされませんでした。 - × MYCINは、化学物質の構造を特定するシステムである
(解説)それは「DENDRAL」です。「MYCIN=医療(Medicine)」と覚えましょう。
