Cyc(サイク)プロジェクト
解説
Cyc(サイク)プロジェクトとは、1984年にダグラス・レナート(Douglas Lenat)によって開始された、AIに「人間の常識(コモンセンス)」を教え込むための世界最大規模かつ最長の人工知能プロジェクトです。
「常識」がないAIの限界
当時のAI(エキスパートシステム)は、専門知識は持っていましたが、子供でも知っているような当たり前の知識を持っていませんでした。例えば「政治家が死んだら、その後の選挙には出馬しない」「水は高いところから低いところへ流れる」といったことです。
Cycプロジェクトは、こうした膨大な「一般常識」を、人間が手作業で論理式(推論できる形式)としてコンピュータに入力し続けることで、真に賢いAIを作ろうとしています。

ブラックボックスAIとの対比
現在の主流であるディープラーニング(統計的学習)が、判断根拠が不明確な「ブラックボックス」であるのに対し、Cycは論理的に知識を積み上げているため、推論の過程を説明できる(ホワイトボックスである)という特徴があります。
G検定対策
出題ポイント
- 創始者:ダグラス・レナート(Douglas Lenat)。
- 目的:「一般常識(Common Sense)」の記述と推論。
- 特徴:1984年から続く、AI史上最も息の長いプロジェクトの一つ。オントロジー(概念の体系化)構築の代表例。
よくあるひっかけ問題
- × Cycは、Web上のデータを自動収集して作られた辞書サイトである
(解説)違います。Wikipediaのようなテキストデータではなく、AIが推論できるように人間が手入力した「論理式の集合体(知識ベース)」です。 - × ディープラーニングを用いた画像認識プロジェクトである
(解説)記号推論(シンボリックAI)のアプローチであり、ディープラーニングとは対極に位置します。
