人工知能(AI)
1. 解説
人工知能(AI)とは、人間の知的行動(判断、推論、学習、認識、問題解決など)をコンピュータで模倣・再現しようとする技術および学問分野の総称です。
AIは単一の技術を指すものではなく、時代ごとのアプローチによって大きく以下の3つの段階(ブーム)に分類されます。G検定では、それぞれのブームで「何ができて、何ができなかったのか(限界)」を区別して理解することが非常に重要です。

AIの歴史的変遷と3つのブーム比較
現在のAI技術は、過去のブームの積み重ねの上に成り立っています。それぞれの特徴を整理します。
| ブーム | 年代・名称 | 主な技術・アプローチ | 限界・キーワード |
|---|---|---|---|
| 第1次 | 1950年代〜 記号的AI |
推論・探索 人間がルールを記述する |
トイ・プロブレム (おもちゃの問題しか解けない) |
| 第2次 | 1980年代〜 機械学習 |
知識表現 データからパターンを学ぶ (特徴量は人間が設計) |
特徴量設計の壁 (データのどこを見るか人間が決める必要がある) |
| 第3次 | 2000年代〜 ディープラーニング |
機械学習 + 多層化 特徴量自体をAIが学習する |
解釈性(ブラックボックス) なぜその答えになったか説明しにくい |
各ブームの詳細解説
① 第1次AIブーム:記号的AI(ルールベース)
「推論」と「探索」が中心の時代です。ダートマス会議(1956年)でAIという言葉が誕生し、コンピュータに「もしAならBする」という明確なルールを大量に教え込むことで知能を実現しようとしました。
迷路やパズル、定理の証明などは得意でしたが、ルールが複雑すぎる現実世界の問題には対応できませんでした。これを「トイ・プロブレム(おもちゃの問題)しか解けない」と言います。
② 第2次AIブーム:機械学習(知識蓄積)
インターネットの普及でデータが増え、統計的な手法でコンピュータ自らが学習する「機械学習」が流行しました。エキスパートシステム(専門家の知識を移植するシステム)などがこれにあたります。
しかし、精度を上げるためには「データのどこに注目すべきか(=特徴量)」を人間が手動で設計・調整する必要があり、そこに限界がありました(知識獲得のボトルネック)。
③ 第3次AIブーム:ディープラーニング(特徴表現学習)
脳の神経回路を模した「ニューラルネットワーク」を多層化し、ビッグデータを用いることで、AI自身が「特徴量」まで自動で学習(表現学習)できるようになりました。
これにより、画像認識(猫の識別など)や翻訳の精度が飛躍的に向上し、現在のブームに至ります。
2. G検定対策
出題ポイント
- 定義の広さ:人工知能は「人間の知的行動を模倣する技術・学問」という包括的な概念であり、研究者によって定義が異なる。
- 包含関係:「AI > 機械学習 > ディープラーニング」という包含関係(ディープラーニングはAIの一部)を理解する。
- 特徴量(Feature):第2次と第3次の最大の違いは、「人間が特徴量を設計する(機械学習)」か「AIが特徴量を獲得する(ディープラーニング)」かにある。
ひっかけ対策・注意点
- × 人工知能 = ディープラーニング
(解説)ディープラーニングはAIの中の一つの技術手法(第3次ブームの中心技術)に過ぎません。 - × AI = 意思を持って自律的に考える存在
(解説)現在のAI(特化型AI)は、特定のタスクを処理する道具であり、「ドラえもん」のような汎用的な知能や自我を持つものではありません。この違いは「強いAIと弱いAI」で定義されています。 - AI効果:かつてAIと呼ばれた技術(例:かな漢字変換、掃除ロボット)が、普及して当たり前になると「これはAIではない」と言われるようになる現象。
- シンギュラリティ(技術的特異点):AIが自らより賢い知能を生み出せるようになり、技術的進化が無限大に加速する時点のこと。
